年下彼女。



ふっと視線を下げる。

白いセーラー服の両腕の袖が、黒く汚れている。

土か??

嫌な予感がした。


俺は亜姫の右腕を掴む。そして袖を、捲り上げた。




「・・・お前・・・」



亜姫の細くて白い腕には、青白い大きな痣が出来ていた。



1㌢位の・・・そう、ちょうど誰かに殴られたような、痣。

そしてその痣の下には、無数の、刃物で浅く切った痕。



あまりにも痛々しい光景だった。



刃物で切った痕の中には、古そうなものもあれば、新しそうなものも混じっている。

青白い痣は、どう見てもついさっきできたようにしか見えなかった。


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