年下彼女。
「なぁ・・・琴音」
「ん??」
「お前、リストカット、したことある??」
琴音が俺を、凝視した。
「リストカット・・・??」
「そ。カッターとかで自分の腕とか傷つけるやつ」
睦月が、ビールを喉に流し込む。
そして横目でチラリと琴音を見た。
多分、昔の出来事を思い出しているんだろう。
睦月は、琴音を深く傷つけたことがあるから。
しかも昔の琴音は、才色兼備な姉・・・天音さんがいたせいで、自分にかなりの劣等感を抱いていた。
多分、コイツは思春期のころ、俺たち以上に苦しんでいるはずだ。