年下彼女。
事務室で話し合ってから、一ヶ月が経っていた。
あれ以来、イジメは今のところ、全くないらしい。
彼女の腕にも、あれ以上リストカットの数が増えることはなくなった。
ただ、あの生々しい傷跡は、消えることはないかもしれない。
半袖のセーラー服を着た彼女の右腕にはいつも、リストバンドがつけてある。
「・・・もうすぐ夏休みだねー」
いつものように放課後、俺と亜姫は2人で勉強をしていた。
そうだ、もうすぐ本格的な夏が来る。
太陽の沈む時間も、最近めっきり遅くなった。
・・・夏か。
俺はチラリと亜姫を見た。