年下彼女。
3
「ホント、バカだね。巧は」
激しく呼吸をしながら、亜姫は笑って言った。
走りすぎて汗をかいたのか、前髪が額に張り付いている。
久々に見る、彼女のいきいきとした、笑顔だ。
「あ・・・やべっ。吐きそー・・・」
俺は地面におえっと小さく嗚咽する。
きったなーっと亜姫がまた、笑った。
あのまま、俺たちはしばらく走り続けた。
多分、亜姫が「いい加減にしろ!!」と俺の足を蹴らなければ、今でも走っていたかもしれない。
俺たちはたまたま近くにあった、小さな事務所の駐車場に、座り込んでいた。