わがままモデル王子は危険な香り
「うるせぇ、社長だな、全く
何で、俺が女といるって
バレてるんだよ」

ボクサーパンツ姿の長身の男が
短髪の髪をかきながら部屋から出てきた

「あん?」

男が私の見ると
目を細めた

「何でパジャマ?」

私はハッとして
パジャマを見た

ここって
おばさんの部屋のじゃないの?

「おいっ、社長
なんだあれ?」

居間にいるおばさんに向かって
男が大きな声を投げた

ぺたぺたと裸足の足で廊下を歩くと
男は3人掛け用のソファに
尻を落とした

私とそろそろと
居間に向かうと
ドアの付近で足を止めた

「桜嗣、服を着て来いって言っただろ」

おばさんが
麦茶を出しながら言うと、男の頭を殴った

王子ってあの人?

確かに偉そうな態度の人だけど

「別に、俺の体なんて知りつくしてるくせに」

え?
おばさんって年下好き?

「紹介したい子がいるから、服を着て来いと言った」

「あの女のこと? あいつだってパジャマじゃん」

「あの子はいいの
問題はあんた!
いい?
ここ数日間で何キロ、太った?」

おばさんが人さし指をたてて
王子に向かって怒った

「しらねえよ
体重計なんて乗らねえもん」

王子は足を組んで
そっぽを向いた

「じゃ、この一週間でダイエット食を
何回食べた」

「ゼロ」

「この一週間、女を連れ込まなかった日は?」

「ゼロ」

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