わがままモデル王子は危険な香り
目を開けると、白い世界が広がった
天井も布団もベッドも白い
視界のはしには透明のチューブも見えた
首を動かすと、それが点滴だとわかった
私の右腕にささっていた
「りお…? 気がついたのね、莉緒!」
私の顔を覗き込んで嬉しそうにしたママがいた
「ママ?」
「莉緒、大丈夫か?」
パパも近寄ってくると私の顔を見る
「パパ?」
「ほら、莉緒の目が覚めたぞ
お前は出ていけ」
パパがママに向かって冷たい言葉を投げた
え?
なんで?
なんで、ママが追い出されるの?
「もう少し……」
目の下にクマができているママが、パパの腕に触れた
パパはママの腕を振り払うと、ママを睨みつけた
「お前たち姉妹にはもう任せられない
俺一人で莉緒の面倒を見ると、約束しただろ
娘にこんな怖い思いをさせる母親がいるか!」
「でも…」
「『でも』だと?
お前はいつもそうだ
なんだかんだと言い訳ばかりで、何もできてないじゃないか
莉緒が刺されたときだって、姉に莉緒を押し付けて逃げておいて」
もう嫌だ……
男の怒鳴り声って嫌い
聞きたくない
争う声が嫌なの
天井も布団もベッドも白い
視界のはしには透明のチューブも見えた
首を動かすと、それが点滴だとわかった
私の右腕にささっていた
「りお…? 気がついたのね、莉緒!」
私の顔を覗き込んで嬉しそうにしたママがいた
「ママ?」
「莉緒、大丈夫か?」
パパも近寄ってくると私の顔を見る
「パパ?」
「ほら、莉緒の目が覚めたぞ
お前は出ていけ」
パパがママに向かって冷たい言葉を投げた
え?
なんで?
なんで、ママが追い出されるの?
「もう少し……」
目の下にクマができているママが、パパの腕に触れた
パパはママの腕を振り払うと、ママを睨みつけた
「お前たち姉妹にはもう任せられない
俺一人で莉緒の面倒を見ると、約束しただろ
娘にこんな怖い思いをさせる母親がいるか!」
「でも…」
「『でも』だと?
お前はいつもそうだ
なんだかんだと言い訳ばかりで、何もできてないじゃないか
莉緒が刺されたときだって、姉に莉緒を押し付けて逃げておいて」
もう嫌だ……
男の怒鳴り声って嫌い
聞きたくない
争う声が嫌なの