わがままモデル王子は危険な香り
「言わせてもらうけど……
アナタに何ができるというの?
ずっと仕事優先で私たちに何かしてくれた?
何か問題があると私のせいにして」

ママも怒りだした

病室で喧嘩を始める二人

それを眺める私

「もう…やめてよ
パパの怒鳴り声って達明を思い出すから嫌
ママのヒステリックは達明の奥さんが刺しにくるシーンを思い出すから嫌い

二人は私のために喧嘩しているみたいだけど
私に与えるのは苦痛だけだよ」

ぼそっと言う私の言葉に、パパもママも押し黙った

「仕事に戻る」

パパが鞄を掴むと、病室を出て行った

「すぐに逃げる」

ママがパパの背中に向かって、呟いた

「テレビ、見てもいい?」

私はママに聞く
ママは笑顔でうなずくと、リモコンを取ってくれた


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