わがままモデル王子は危険な香り
おばさんが深いため息をついた

「体重管理をしないのはプロ意識が
欠けている証拠だ
それに女とのゴシップはイメージダウンに
なると何回言ったらわかる?
それもプロ意識のない証拠だ」

王子がほほ笑んだ
「ほほう」っと頷くと
腕を組んで私の顔を見た

頭から足の先まで眺めてから
王子が唇を舐めた

「あいつが監視役?
んで、ついでに俺の健康管理も
してくれちゃうわけ?

ありがたい話だね
でも俺、今の生活スタイルを
変えるつもりないよ

あ…それともこいつが
俺の夜の相手をしてくれるの?
…てか、趣味じゃないし

一人に縛られるのって嫌だし
面倒くせぇ

仕事に支障をきたしてねえし
いいじゃん
女くらい」

こいつ……
嫌な男だ

まるで達明と一緒

『誘いに乗ったお前が悪いんだよ』

妻の背後に隠れていたあの男の
言葉を思い出した

ああいう男って嫌い

「桜嗣!
あんたは商品だ
我がままは通用しない
商品にはイメージがある
そのイメージを壊すような行為は
私は許さない
嫌なら辞めろ
すぐにこの家から出ていけ」

「…わかったよ
これからは社長にバレないように
女と遊ぶよ」

「食事は一切、外で食べるな
莉緒がつくる食事以外、口にするな
長時間のロケの場合は、莉緒が弁当を
作るからロケ弁は食べるな
飲み物も莉緒が用意したモノ以外
飲むな
仕事場への送り迎えは私がする
勝手に消えるな、いいな」

「はいはい」

王子が面倒くさそうに返事をした

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