わがままモデル王子は危険な香り
ママは腕を組むと、長身の王子を見上げた

「莉緒を助けていただいたことは感謝しています
でも今後一切、莉緒の前に現れないでください」

「わかりました」

王子はもう一度頭を下げると
私とママに背を向けて病室を出て行った

「ママ、どうして…?
桜嗣は何も悪くないのに」

「あの人は莉緒が、莉緒と知っていて手を出してきたのでしょう?
その裏にどんな感情があったと思う?
姉の夫に手を出して女を、本気で愛すると思う?」

胸の奥がズキンと痛んだ
王子の本心はどうだかわからない

でも私は王子が好きだよ

王子のそばにいたい

王子の気持ちを知りたいよ

「ママ、私は桜嗣が好きだよ」

「他の相手にしなさい
すぐに忘れるわ」

ママは私から目をそらした


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