わがままモデル王子は危険な香り
今度こそ
桜稀さんは幸せな家庭をもてると思う

多田野先生のような偽りの優しさじゃない

本当の優しさを
恵さんは持ってる

そして桜稀さんを温かく見守ってる


桜稀さんと、桜稀さん子を愛し、幸せにしてくれると私は信じてる


「莉緒ちゃんは桜嗣と連絡をとってるの?」

「ううん、桜嗣のブログを見てるだけ
いろいろあったから、ママが厳しくて」

「ごめんなさい
私が間違わなければ…」

「あ、いいんです
ママの気持ちもわかるし

だからって桜嗣への気持ちを隠すつもりもなくて
自然に他の誰かを好きになるまで桜嗣は私の王子でいてほしいっていうか…

あ。何、言ってるんですかね」

私の頬がきゅうに熱くなった

右手で顔をパタパタとあおいだ

桜稀さんはほほ笑むと首を横に振った

「幸せになってね」

「もちろんです」


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