わがままモデル王子は危険な香り
私はズカズカと店内に入るとパパの横に立った

「知り合い?」

女性が私の顔を見る

パパが女性の視線の先を確かめるように顔をあげた

「莉緒? どうしたんだ?」

パパが女性と手を離すと、立ち上がった

落ち着きなく腕を振り、動揺したパパの姿が格好悪い

「誰?」

女性が首をかしげていた

「貴女はこの人の彼女?」

私は女性に質問をした

女性は足を組むと、椅子の背もたれに寄り掛かった
すごく偉そうにして

「ええ、そうよ」

「いつから付き合ってるんですか?」

「そうね…もう3年になるかしら」

「そうですか。ありがとうございます」

「は?」

女性が不思議そうな顔をした

私は氷の入ったコップを持つと、パパに向けて水を引っかけた

「さいってぇ!」

「莉緒、私の話を……」

「聞かない!
パパはママが苦しんでるのを楽しんで見てたんでしょ!

ママが泣いてたのを知ってる?
私に向って、ごめんねって謝って泣いたのよ

全てママのせいにして、自分は浮気? 不倫?

この女の股に自分のを突っ込んで喜んでたわけ!

私が刺されて痛い思いをしてたときも
病院には来ず、ホテルにでも行ってた?

家族を守ろうともしないで、責任をママに押し付けないでよ

悪いのはパパじゃない
家族を守るのはパパの役目でしょ?

最低男よ
こんな男の娘で最悪だわ」


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