わがままモデル王子は危険な香り
「いつ、仕事入れたんだよ」

桜嗣が立ち上がりながら、ぼそっとマネーシャーにぼやいた

「桜嗣は黙ってなさい」

「すでに私たちを5分待たせてるわ
会議は10分で終わらせて」

「はい、申し訳ありません」

私は頭を下げた

「5分も待ってねぇだろ
それに約束の時間より早く来たのは俺らだ」

桜嗣が不機嫌に突っ込みを入れる

「だから桜嗣は黙ってなさい」

マネージャが桜嗣を睨んだ

「契約違反をそちらがしたのよ
桜嗣の担当は男と言ったはずなのに
チャラチャラした女性が来て」

え?

私は唇をかみしめた

「あんたのいないところで俺が社長に言ったんだよ
担当は女じゃなきゃ、ドタキャンするって
いちいちうるせぇ女だな」

桜嗣はマネージャーを追い抜かして、私の前に立った

「約束通り打ち合わせは1時間でいいよ
勝手に仕事を入れたのはマネだから
気にしないで

後に入ってる仕事はマネにキャンセルさせるから
第一、俺は後に入っている仕事の内容を把握してないから」

桜嗣が私の肩を優しく叩いた

「場所、どこ?」

桜嗣が坂本さんに質問する

坂本さんは手を前に出すと会議室まで先導した


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