わがままモデル王子は危険な香り
「そうだ
私はマネーシャーの戸倉です
連絡は名刺にある携帯でお願いします」

戸倉さんが歩きながら名刺を渡してきた

私も用意しておいた名刺を差し出した

戸倉さんは私の名刺も見ずにケースにしまった

「貴方みたいな人
私、嫌いなのよ
どうせ桜嗣のファンなんでしょ?

一人で浮かれた格好でそれで桜嗣に気をひいてもらいたいの?
私たちは仕事で来ているの
変な気を起こそうなんて思わないでよ」

いつものスーツにすれば良かった


後悔で心の奥が痛い

会議室に入るとすでに企画課の人とカメラマンが待機していた
室内の隅には、桜嗣のサイズを測る班もいた

全て男

マネージャーの指示だったのだろうか

私は企画課の課長の元へと歩み寄る

「次の仕事が入っているみたいで10分で終わらして欲しいって話なのでが…」

「わかった。何とかする」

課長がにっこりとほほ笑んだ

「じゃ、先に採寸だけしちゃって」

部屋の隅にいた人たちに課長が声をかけた


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