わがままモデル王子は危険な香り
「すみませんでした」

私は企画課の課長に頭をさげた

会議室には課長と私しかいない

課長は10分きっかりで会議を終わらせてくれた

「気にしないで
よくあることだから
向こうの機嫌を損ねないようにしないと
こっちも売り上げがかかってるからね」

30代前半の課長はにっこりと笑った

「仕事がひと段落したら、みんなでぱーっと飲みに行こう」

課長は私の頭をぽんぽんと叩くと会議室を出ていった

私はため息をつくと自分のオフィスルームに戻った

「あ……室長、戸倉さんから電話です」

私は坂本さんから受話器を受け取った

「お電話かわりました、高野です」

『携帯番号教えてくれる?』

私は戸倉さんに携帯の番号を教えた

『ありがとう
仕事のキャンセルとかあるかもしれないから
携帯番号を聞いておかないと、連絡が取れないときに困るの
それと……
今夜は空いてる?
話しておきたいことがあるんだけど、仕事のことで』

「え…あ、はい」

『良かったわ
場所はね……』

私は都内のホテルで待ち合わせをした


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