わがままモデル王子は危険な香り
『王子はホテル暮らしなんだよね?
戸倉さんも一緒?』

戸倉さんが桜嗣のとこに戻るからと店を出て行ってから
私はまだグラスに残っているカシスオレンジを飲みながら携帯いじった

『…なわけねーだろ!
あいつはどっかの小さなアパート暮らしだろ

戸倉と別れたのか?
今、どこにいんの?』

『まだラウンジで飲んでる
戸倉さんは桜嗣のとこに戻るって言ってた』

『来てねーし
酒、飲んでるの?』


『うん、飲んでる』

『車で送るよ
飲み終わったらメールちょうだい』


『いいの?』

今日、会社で怒られたよね?

勝手な行動はするなって戸倉さんに…
平気なの?

『一緒にいたい』

『戸倉さんは?
勝手な行動はするなって言われたよね?』

『ドライブするって言っておく
ほんとに、あいつは面倒くっせえ女だよ』

私は携帯をテーブルに置いた

桜嗣と過ごせると思うと嬉しかった



ママの顔がちらつく
きちんと話したほうがいいよね?

桜嗣と連絡をとるようなったって報告しよう


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