わがままモデル王子は危険な香り
「本当はさ、部屋に寄っていかね?って誘いたいんだよ」

地下駐車場を歩く王子が言った

隣を歩く私は笑った

「でも莉緒とはすぐに体の関係を作りたくない」

「え?」

私は首を横に傾けた

王子は私の手を握ると、赤い顔をしていた

「莉緒とは普通の恋愛をしたい」

王子の耳まで真っ赤になった

「だからさ、えっと…なんて言うか
順序をおった付き合いっていうかさ
そりゃ、欲しいけど、それだけの関係にはなりたくない

俺の過去を知ってるだろ?
セックスにはあまり良い思い出がないんだ

俺は莉緒とは気持ち良いセックスしたい
だからなんて…言ったらよくわからないけど」

私は肩を揺らして笑った

「おいっ、俺はまじめに…」

「うん、わかった…わかったから
二人のペースでやっていこう」

私は王子の手を強く握りしめた

「やべ……俺の決意が揺らぎそう」

王子は私から視線をそらした


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