わがままモデル王子は危険な香り
「あ、会見の用意をしてくれ
あの報道には頭にきたっ!
それと戸倉を首にしろ
あの誤報を流したのはあいつだから
俺を脅して、莉緒と別れさせようとしてたから
マネをかえねーなら俺が事務所を辞める」

早口で王子が怒鳴った

え?
ええ?

マスコミに流したのは戸倉さん?

王子を脅した?


どういうこと?

私は何も知らないよ

私は王子の電話が終わるのを待った


王子は電話をきるとまた、すぐに電話を始めた

「おいっ!
なんてことをしてくれるんだ
実名を出して、嘘の報道をして……あんたは最低だよ
俺を怒らせるなって言っただろ
マネは今日限りだ
俺の前に姿を現すな」

戸倉さんに電話したのだろうか?
さっきよりも早口で、怒鳴ると電話を荒々しく切った

「くそっ」

王子は壁を殴ったようだ
どんっと音がした

「桜嗣?」

私は廊下に顔を出した

王子はびくっと体を揺らすと、すぐに笑顔を見せた

「大丈夫だ
俺がなんとかするから」


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