わがままモデル王子は危険な香り
「やっ…んっ、ヤダぁ」

私はソファに座って、王子の頭を掴んだ

「んんっ…だめぇ」

「間際らわしい声を出すな」

傷口を消毒している王子が怒鳴る

消毒が染みるんだからしょうがないじゃない

「傷口、塞がってないな」

王子が傷口に触れる

「やん…いっ」

「たく、うるせえな
それとも傷口に触れるとエッチな気分になるのかよ」

「ちがっ…だって」

「だって?」

王子が顔をあげて、私の顔を見つめてきた

「痛いのが好きとか?」

王子がニヤリと笑った

『莉緒の声はそそるね』
達明の声が脳内に響いた

嫌だっ!
違う
私は好きじゃない

気持ち悪い

私は口元を押さえると、王子を払いのけてトイレに駆け込んだ


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