わがままモデル王子は危険な香り
血がとまると、また消毒をして、ガーゼで傷口を覆ってくれた

「顔色が悪い
なんか食うなら買ってくるけど?」

「いらない」

「レバーとかほうれん草とか、食えよ
あとはまぐろもいい」

「レバーは嫌い
あと生モノも嫌いだから」

私はソファにごろりと横になった

「おいっ」

「少し横になれば平気ですから、放っておいてください」

「そうかよ
勝手にしろ」

「はい、そうします」



王子が私から離れていく

どこかに電話しているのが、遠くで聞こえた

実際は近かったかも

でも遠のいていく記憶の中で

王子がおばさんに連絡しているのがわかった


< 24 / 212 >

この作品をシェア

pagetop