わがままモデル王子は危険な香り
目が覚める
真っ暗な部屋だった

誰かの匂いがする
甘い匂い

どこかで嗅いだことのある匂い

私は瞼を持ち上げると、白い布団カバーを眺めた

白の枕も目に入る

ここって王子のベッド?

私は起き上がると、外はもう明るくなっていた

え?
ええ?

私、寝坊した?

私はあわててベッドから出ると、廊下を走って居間に入る

「ああ、ほら
莉緒、走っちゃダメじゃない」

おばさんが心配そうに私の肩を掴んだ

「おばさん?」

「桜嗣から聞いたわ
傷口はどう?」

「え? ああ…はい」

「桜嗣なら一人で仕事に行ったから平気よ」

「あ…ごめんなさい」

「いいのよ
もともと桜嗣は一人で行動したっていいんだから
昼食には戻るように言ってあるから
桜嗣の昼食は頼んでいいかしら?」

「はい、もちろんです」


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