わがままモデル王子は危険な香り
「俺は今まで、毎日のように女を抱いてきた
好きな女を部屋に呼んで、朝まで抱いた
それがどうだ?
あんたが来てから、さっぱりだ
社長の目もある
あんたの監視もある
欲求不満でどうにかなりそうだ」

この人は私を試してる?

それとも
遊べる女かどうか調べている?

「何が言いたいんでしょうか?
口の堅そうなそれなりの女性を用意しろと?」

「何、『それなりの女性』って?」

王子が鼻で笑った

「高級娼婦という意味です」

「頼んでくれるわけ?」

「下半身がどうしてもお辛いというのなら
社長に相談します」

「あんただって口が堅いだろ?」

私と王子の視線が絡み合った

数秒間
見つめ合ってから、王子の口が私に近づいてくる

「私に娼婦になれと?」

王子のキスを避けると、私は王子を睨みつめた

低レベルで
簡単に抱ける都合の良い女になんかなりたくない


「俺が何も知らないとでも?」

「社長から聞きましたか?」

「いや……やっぱ
男の過去ありだろ?」

王子が勝ち誇ったように笑った

私は下唇を噛んだ

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