わがままモデル王子は危険な香り
「よかった
電話に出てくれなかったらって思ったら
不安だったよ」
間違って出ただけ…とは言えなかった
なんだか疲れ切った声の達明がかわいそうに感じた
「今、どこにいるの?
家にはいないみたいだから心配してるんだ」
「あ…えっと…」
「誰と話してるの?」
王子の声が聞こえてきた
私は携帯を耳から離すと振り返った
「莉緒? 誰かいるのか?
男のような声が聞こえたけど」
携帯から達明の声が聞こえる
肩にタオルをかけた王子が怖い顔して、私に近づいてきた
「もしかして多田野?」
私は王子から目をそらした
王子が喉を鳴らすと、私の手から携帯を奪った
「莉緒に何か用かよ」
王子が達明に向って低い声を出した
不機嫌きわまりない声だ
「ああ、彼氏だよ
あんたのことは聞いてる
知った上で付き合ってるんだ
莉緒にかまうな、オッサン」
王子が携帯を折りたたむと、私に差し出してきた
「もう連絡すんな」
「どうして?
貴方には関係ないはずです」
「あんたを外に出せないようにしたのは
どこのどいつだよ
そんな男とまた付き合いたいのかよ」
「達明のせいじゃないですから」
「へえ~」
「彼の妻に刺されて、追いかけられて…」
「怖い思いしたとき
ヤツはあんたを守ったのかよ
妻の後ろに隠れてたんだろう?
そんな男のところに戻りたいなら
さっさと戻れよ
外に出られるなら、ほら…出て行けよ」
王子が私の腕を掴んだ
引き摺られるように廊下に引っ張りだれると、王子に玄関から放り出された
「行けるもんなら出ていけ
二度と戻ってくんな」
電話に出てくれなかったらって思ったら
不安だったよ」
間違って出ただけ…とは言えなかった
なんだか疲れ切った声の達明がかわいそうに感じた
「今、どこにいるの?
家にはいないみたいだから心配してるんだ」
「あ…えっと…」
「誰と話してるの?」
王子の声が聞こえてきた
私は携帯を耳から離すと振り返った
「莉緒? 誰かいるのか?
男のような声が聞こえたけど」
携帯から達明の声が聞こえる
肩にタオルをかけた王子が怖い顔して、私に近づいてきた
「もしかして多田野?」
私は王子から目をそらした
王子が喉を鳴らすと、私の手から携帯を奪った
「莉緒に何か用かよ」
王子が達明に向って低い声を出した
不機嫌きわまりない声だ
「ああ、彼氏だよ
あんたのことは聞いてる
知った上で付き合ってるんだ
莉緒にかまうな、オッサン」
王子が携帯を折りたたむと、私に差し出してきた
「もう連絡すんな」
「どうして?
貴方には関係ないはずです」
「あんたを外に出せないようにしたのは
どこのどいつだよ
そんな男とまた付き合いたいのかよ」
「達明のせいじゃないですから」
「へえ~」
「彼の妻に刺されて、追いかけられて…」
「怖い思いしたとき
ヤツはあんたを守ったのかよ
妻の後ろに隠れてたんだろう?
そんな男のところに戻りたいなら
さっさと戻れよ
外に出られるなら、ほら…出て行けよ」
王子が私の腕を掴んだ
引き摺られるように廊下に引っ張りだれると、王子に玄関から放り出された
「行けるもんなら出ていけ
二度と戻ってくんな」