わがままモデル王子は危険な香り
一階に到着すると扉が開いた

私はゆっくりと足を前に出した

エントランスを歩く、外は暗くなっている

街灯に明かりがつき、道路が明るくなっていた

暗い外に私は一人で出られるのだろうか
外の空気を吸える?
私の足がきゅうに重たくなった

鉛がついたようにひざ下から足先にかけて、重くて前に出ない

外の暗闇が、私の体を蝕んでしまうのではないか

外に出たら、また怖い目にあうのではないか

刺される前は
一人で歩けたのに

何も考えず外に飛び出して行けたのに


どうしてだろう
今は怖い
恐怖が私の心を支配する

『二度と戻ってくんな』

王子の怒鳴り声が、私の耳の中でリピートする

私は深呼吸をすると、瞼を閉じて、前に足を出そうとした
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