わがままモデル王子は危険な香り
『どうしたらいいのかっ!
私にどうしろって言うのよ
どうせ、お姉ちゃんも私が悪いって
言うんでしょ』

居間からママのヒステリックな声が
聞こえてきた

ずっとそう……
ママは
私が刺されてからおかしくなった

パパと喧嘩する回数が増えて
全ての責任を
ママに押し付けられた

人の男に手を出す女に育てたのは
お前のせいだって

ママは責められる


べつに人の男に手なんか出してない


男が嘘をついた
「恋人はいないよ」
「君だけだよ」
「君が好きなんだ」
嘘ばかり
私の耳に囁いて


私は男の妻に刺された

大学の校内で
気がふれた女のごとく
泣き叫びながら私を追いかけてきて
いきなり刺した

刺されて病院で治療しているときに

男に妻がいて
子供がいて

家庭のある人だと知った


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