わがままモデル王子は危険な香り
重たくなる足を必死に
前へ
前へと、踏み出した

自動ドアが、低音のうなりをあげながら開くと

私は達明に腕を掴まれた

「やっと捕まえたよ」

掴まれた二の腕が痛い

私に微笑んでくる顔が気持ち悪い


どうして?
なんで?

好きだったのに

今は、格好良いとも思わない

刺された傷口が疼く

痛い


久々の外が、暗く感じた

闇が私を襲う

達明に引っ張られるがまま、私は歩き始めた


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