わがままモデル王子は危険な香り
「ここから逃げられる方法ってありますか?」

私は桜稀さんに質問をした

桜稀さんは首を横に振る

「わからないわ
私もこの部屋に入ったのは初めてなの」

「そうですか」

無理なのかな、ここから逃げるのは

一人だったときは逃げるなんて思いもしなかったけど、どうしてかな?

桜稀さんの顔を見たら、ここから逃げなくちゃって気になった

逃げられるなら、逃げたい
二人で

桜稀さんと一緒に逃げて、幸せになる方法を探したい

悪いのは達明だ

桜稀さんでも
私でもない

全て達明のせい

騙された私にも非はあるかもしれないけど

今の状況に追い込んだのは達明のせいだ


そういえば……

私は桜稀さんの顔を見た

「あの…どうしてここに来たんですか?」

「ある人から電話があって……達明の居場所を聞かれたの
心当たりの場所をいくつか教えて……そのあとでここを思い出した
もし貴方に危害が加わるようなことがあったら…私のせいだから
そう思ったらじっとしていられなくて
ここに来たら、やっぱり達明の車があって…」


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