わがままモデル王子は危険な香り
「ある人って?」

「それは……」

桜稀さんが下を向いた

「もしかして私のおばさん?」

桜稀さんがほほ笑んだ

そっか
おばさんが…
探してくれているんだ

そしたら
一生、ここで生活するってことはないかも

「でもこの場所は…教えてないの
言い忘れちゃって」

桜稀さんが申し訳なさそうに呟いた

そっか
じゃ……無理かな


一気に目の前が暗くなった気がした


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