わがままモデル王子は危険な香り
陽が落ちていく

室内はどんどん暗くなっていった

昨日から寝てないのに、眠くならない

食事もしていないのに、お腹も減らない

達明は私たちを餓死させるつもりなのかな

「達明とどうして結婚したんですか?
素朴な疑問です」

「優しかったの
私、人と接するのは下手で……」

桜稀さんがさびしそうにほほ笑む

私と一緒だ
私も人と接するが苦手だった

「私の気持ちを理解してくれた人だったから」

そこも一緒だ

「もしかしたら桜稀さんと私って似てるのかもしれませんね」

私はベッドから立ち上がると窓の下に腰をおろした
桜稀さんは疲れたのか
ベッドに横になった

「ここで何があったか知ってる?」

桜稀さんが口を開いた
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