わがままモデル王子は危険な香り
ドアの向こう側が騒がしくなった
何か争うような声が聞こえる
私は立ち上がると、ドアの外の音に集中した
「覚えてたのね」
ぼそっと桜稀さんが呟く
「え?」
「たぶん、弟よ」
「ある人って桜嗣よ
桜嗣から電話があったの
貴方が達明のところに行ったって」
桜稀さんがほほ笑んだ
王子が?
ここに来てくれた?
だってまだ海外のはずじゃ…
ファッションショーの仕事があるはず
リザっていうデザイナーといちゃついてたし
私が達明のところに行ったって気にするような……
階段を駆け上がる足音が聞こえた
私の心臓が早鐘を打つ
王子が来てくれた…と思う心と、違うと否定する心が、痛いくらいに葛藤している
足音はすぐ近くまで来ていた
何か争うような声が聞こえる
私は立ち上がると、ドアの外の音に集中した
「覚えてたのね」
ぼそっと桜稀さんが呟く
「え?」
「たぶん、弟よ」
「ある人って桜嗣よ
桜嗣から電話があったの
貴方が達明のところに行ったって」
桜稀さんがほほ笑んだ
王子が?
ここに来てくれた?
だってまだ海外のはずじゃ…
ファッションショーの仕事があるはず
リザっていうデザイナーといちゃついてたし
私が達明のところに行ったって気にするような……
階段を駆け上がる足音が聞こえた
私の心臓が早鐘を打つ
王子が来てくれた…と思う心と、違うと否定する心が、痛いくらいに葛藤している
足音はすぐ近くまで来ていた