わがままモデル王子は危険な香り
「莉緒!
無事か…莉緒…りお?」

ドアを勢いよく開けて入ってきたのは、桜稀さんの言うとおり王子だった

息をきらして、肩を上下に揺らしていた

「莉緒、もう大丈夫だからな」

王子は何の躊躇もせずに室内に足を踏み入れると、私の肩を抱きしめた

「怪我はしてない?
痛いところはない?」

王子は私の顔色を見てから、全身を見てまわった

「私より…桜稀さんのほうが…」

「姉貴?」

私はベッドを指さした

王子の視線のベッドに向いた

「姉貴!
あいつのところには行くなって言っただろ
俺がなんとかするって」

本当に姉弟なんだ

王子は桜稀さんを抱きかかえると開け放ってあるドアに向かって歩き出した


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