SPIRIT
「水龍召喚!!!頼んだぜ!!!」

俺は警視庁の隣にあるビルの屋上から、その窓に向かって予告状を持たせた水龍を放った。

「なんだ!!この龍…また予告状持ってきたんだな!!!」
「へっ大正解…」
「殿橋警部、アレにすっかり慣れちゃったみたいだな…」
「あぁ…最初あの龍が予告状持ってきた時には驚いた見たいだけど…」
「俺は今でもあの光景が信じられないよ…」

因みに俺のいる場所から、本来ならオヤジ達の声は聞こえないが…
何時も朝オヤジが出かける前にワイシャツの襟元に盗聴器仕掛けてやってる…
相変わらず鈍感だから、未だに気づいてない…もっとも母親は気づいてるけど…
盗聴器のスイッチ入れてるから、俺にはバッチリオヤジの声が聞こえてる。

「おのれ…あの小僧ども…出動だ!!!!予告状が届いたぞ!!!
念のため近くも探せ!!どこかに潜んでいるかもしれん!!」

慌しく動く警察を眺めながら、俺はにやりと笑った…
オヤジ如きに捕まるような俺らじゃないし…もっともここ2ヶ月、一度も俺らに追いついた事がないし。

でも、この時俺はオヤジに正体バレた挙句に、その後どうなるかなんて考えちゃいなかった…
だって、巧は手ごわいって言うけど、今まで手ごわいヤツでもエレメント攻撃の前には手も足も出なかったんだから。
< 5 / 59 >

この作品をシェア

pagetop