闇影
必死に手をふるが
次第に沈んでいく。

そして
頭まで沈みかけたところで


「きゃぁぁぁぁぁ!誰かぁ!ナッコが!ナッコがぁぁ!」

大声をあげる。

「希沙良!?どうし・・・!!きゃぁぁっ」
かけよってきたユッコ。
恐怖のあまり
顔がこわばっていた。

「なんで・・・なんでッナッコ・・・ナッコぉ!」
バシャバシャと
音をたて

ナッコをひきずりだす。
「ナッコ・・・ごめんね。もっと早く
気づいてあげられれば・・・ッ」

「希沙良・・・」

息は止まってる。

「ナッコ・・・ッ!」
ナッコを抱きしめるフリをして
目薬の液を目にいれた。

嘘泣き。
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