147cmで始まる世界
「「いっただっきまーす」」

「んーっ!この卵焼き、超美味しいっ!」

「え、マジで!?楓、あたしのと交換しよー」

「何言ってんの、理姫。この奏様がもらうんだからな!」

「うーん、どうしよっかな」

「間をとってこの理空様で」

「じゃあ何かと交換で一番美味しそうな人にあげる!」

「うーん・・・。あたしは、このうさぎのりんごで★」

「この奏様は卵焼きで対抗!!」

「じゃあ俺はー・・・、一番でっかいからあげで!」

「うーん・・・迷う!何この選択肢!!」

「楓ー、お願い!」

「俺の卵焼き、美味しいんだぞー」

「このからあげ、でけぇんだぞー。レアもんだよな!」

「じゃあ卵焼きと卵焼きで★」

「っしゃあ!!」

あたし達は男子の箸がついたとか女子の箸がついたとか、気にしない。

間接キスってヤツか。

お弁当のおかずなんて、毎日交換してる。

「楓が交換しよ」って言った時は、ちょっとびっくりしたけど。

今になっては、この4人の中では普通の出来事だ。

たまに、「この二人デキてんじゃねーの?」って言われるけど。

でも、全然気にならない。

ちょっとイキスギかな、って思う時はあるけど。

「んーっ!うま!!楓の卵焼きうますぎ!」

「次は絶対奪ってやるからな」

「あたしは奏君のよりいいの持ってくる!」

「奏の卵焼きも美味しい!ふわふわ~」

こうして今日の楽しいお弁当の時間は過ぎた。
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