好きになる瞬間
2.
それからナツコの携帯にはケンイチからのメールは毎日何通も届いた。

ある日「デンワシテモイイ?」えっ?電話?ためらうまもなくケンイチから電話がかかって来た。

{もしもし?}

{ナツコの声は思ったとおりやさしい感じがするよ。俺はナツコが年上だからって気にしないよ。}

{でも離れ過ぎだよ?いいの?}

{うん。俺はそんなナツコが大好き。俺のことすごく気にかけてくれるし、今までつきあった女の子は俺のことなんか考えてくれなかった。けど、ナツコは違う。俺の話もちゃんと聞いてくれるし、ナツコみたいな人初めてだよ。}

私が優しい?今までそんなこと言われたことない。

何なの?この気持ち?私、何やってんの?恋愛?嘘マジ?冗談よしてよ。

でもこの胸のドキドキ?なんなの?もう私は39だよ。

今更恋愛なんてましてときめきなんてあるわけないじゃない。

自問自答に戸惑うナツコであった。


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