好きになる瞬間
3.
ケンイチとナツコのメールはそれから何日も続いた。

ケンイチからのメールと電話はナツコが仕事中にも何回か来ていた。

ある日ナツコは仕事がとてつもなく忙しくてメールを見ることすらできないし、電話にも出られないくらいだった時、ものすごい数のメールが入ってきた。

「ドウシテメールクレナイノ?デンワニデテクレナイノ?」

「オレノマエカライナクナルノ?」何で?どうしたんだろう。

「ダイジョブダヨイナクナラナイヨ」

「ホントニ?」こんなタイプ初めてだよ。

{いつも俺の前から突然みんないなくなるんだ。だからナツコからメールこなかった時また俺の前から大好きな人がいなくなっちゃう}

なんてピュアな人なんだろう。

私は軽い気持ちで始めたメールなのにこんなに私のこと好きになってくれてる。

ケンイチ・・・私でいいの?「ワタシハケンイチヲスキニナッテ・・・」

「オレハモウハジメカラナツコガスキダヨ」

この時初めてナツコは何年振りかの恋愛に胸ときめかせる自分に気づいたのであった。

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