半径1mmの水たまり
楓ー!!
あたしを呼ぶ少し低い声。
昔はあたしの方が背が高かったのに。
今は背伸びしてもまだ頭が上にある。
手を繋いで何処までも歩いて、
帰り道が解らなくなって、
2人で大泣きしたこともあった。
その後に思いっ切り怒られたっけ。
同じくらいの大きさだった掌は、
今は包み込まれて力強い。
いつの間にか、変わっちゃったね。
どんどん大人になる亮。
一向に伸びないあたしの身長。
変わるあなた。
変わらないあたしの気持ち。
ねぇ?もう一度手を繋がせてよ。