ファーストキス?
「芳樹!ちょっといいか?」

「何?兄ちゃん。」

「母さんが下で呼んでるぞ!」

「母さんが?」

「ああ、なんか家に母さんの友達の子供が来るんだってさ。」

「ふーん。」


家に、母さんの友達の子供?
女じゃねえよな。
女だったら悠になって言おう・・・


「母さん、何?なんか、友達の子供が来るらしいけど。」

「なんだ、知ってたの。なら話は早いわね。」

「誰が来るんだよ。」

「あら、あなたと同い年の女の子よ。」


まさかの女かよ!
悠になんて言おう・・・
はあ・・・


「あのね、大葉さんっていう子よ。同じ学校らしいけど。」

「大葉?もしかして悠?」

「知ってるじゃない。なんかね、悠ちゃんのお母さんの美玖がね、東京に引っ越すらしいのよ。」

「なんで?」

「何か弟の潤也くんがジャニーズに入ったから、ここから通うのは大変なんだって。でも、悠ちゃんはここに残りたいっていうから、家に来ることになったの。」

「悠がうちに来るのは構わないけど、家に部屋なんか余ってるか?」

「で、お願いがあるのよ~。」

「なに?」


といった瞬間、電話がかかってきた。
母さんは、当然そっちに行く。
誰なんだろう??


「あら、美玖?久しぶり!え?ええ、今話してたとこ。」

《あ、それならちょうどよかったわ。あのね、驚かないでよ。悠と芳樹君つきあってるんですって。》

「うそ!そうなんだ。あのさ、家に来るのは構わないんだけどさ、芳樹と相部屋でもいい?」

《別にいいわよ。芳樹君がいいなら。》

「そう。よかった、それだけが気がかりだったのよ。じゃあ、また今度。」

ガチャ


「ということで、聞いてたよね。悠ちゃんと相部屋ってことで。」

「別にいいけど、ベッドはどうすんの?」

「あんたのところ2段ベッドなんだから、二人で2段ベッド使えばいいじゃない。」

「分かったよ。いつ来るの?」

「今度の日曜日。」

「今度の日曜日か・・・って、あと二日しかねえじゃん!!片付ける時間ねえし・・・」

「まあ、間に合わなかったら、悠ちゃんに手伝ってもらえば。」

「へいへい。」

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