ファーストキス?
しばらくの間、私は話があるといったものの話し出すことができなくて、二人の間に沈黙が続いた。

その沈黙を破ったのは、芳樹だ。


「で、話って何?悠、そんなに話しにくいこと?」

「え、そんなことはないけど。」

「じゃあ話してよ。」

「単刀直入に聞くよ。おととい出張に行くって言ってたけど、ホントはどこ行ってたの?」

「休みとって、となりの市に買い物に行ってた。」

「私に出張に行くってウソをついて、隣の市に女と一緒に買い物行ってたの?信じられない・・・芳樹じゃないみたい。」

「し、しょうがないじゃんかよ。悠との記念日に渡すプレゼント買いに行ってたんだからよ//」


芳樹は、顔を真っ赤にしながらこういった。

私たちの記念日・・・・・・

あっ!あと三日くらいで、私たちの付き合い始めた日じゃん。

それでかぁ・・・って納得してる場合じゃない!!

女の人は誰なのよ。


「そういえば、もうすぐ記念日だね。プレゼント買いに行ったことは別にいいよ。秘密にしようとしてたのにゴメンね。」

「うん。」

「でも、女の人は誰なのよ!!」

「あ、あの人はね、俺の妹!」

「はあ!妹!?」

「そだけど。あれ、悠って俺に妹いるの・・・」

「知ってるよ。」

「でも何で?」

「麻美だよ、麻美。あの子が女の人といるって電話してきたの。」

「それを信じたわけだ。」
< 64 / 66 >

この作品をシェア

pagetop