可愛い姫と池田兄弟
「どれくらい?」
「へ?」
「大会にはこれる?」
「あぁぁ……けっこう辛そうだったからそこまで聞けなかったの。」
だいぶヤバい状態??
「なんで…やっぱ俺が…」
「馬鹿!違うからねっ!
莉緒さぁ…昨日、傘持ってなかったらしくてそうとう濡れたっぽいの、だから雨にあたりすぎて熱が出たんだと思う…」
雨?
昨日そんなに降ってたか?
「帰りがけっこう遅くなったみたいでね…ちょうど通り雨の時に帰っちゃったらしいの…」
「そっか…」
「心配だね…」
「……あぁ。」
佳紀と尚紀が同時に不安そうな顔をした。
二卵性だけどけっこう似てるよーな気が……って!
今、考えるのはそこじゃねぇ…
帰るのが遅かったって…
もしかして俺と尚紀が帰った時にはまだ更衣室の中にいたわけっ!?
でも、そうなるよな…
なんで気づかなかったんだか…
馬鹿だな、俺。
「早く治るといいな…」
「うん、せめて大会の日までには治ってほしい…」
「そーだな…」
俺ら3人は不安な気持ちのまま
木曜と金曜の部活をこなした。
日曜の大会に莉緒ちゃんが来てくれるのを願いながら…