土曜日に恋






「な…なに?翔くん?なに?どうしたの?」





密着こそしていないものの、翔くんとあたしの距離は5cmぐらいまで近づいていた。






離れようとしたけれど、体が硬直して動けない。






何も言わない翔くん。





「翔くん?」





翔くんは、後ろの壁に手をついているのか、ちっとも動く気配はない。






真剣な顔で何か見つめているみたいだけど、あたしは直視できなくて、視線を泳がせるしかなかった。





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