土曜日に恋
陽ちゃんは、下を向いてしまった。
どうしよ。怒った?
「陽ちゃん…?」
「陽……通ってて………たの」
「え?なんて?」
よく聞こえなかったから聞き返したら、陽ちゃんは、複雑な顔をしながらも、ゆっくり言い直してくれた。
「陽が彼氏とチューしてるときに、亜衣ちゃんのお母さんが通ってて、チュー終わった後に、『彼氏?』って聞かれちゃったの」
チュー?
陽ちゃんがチュー?
まだまだ子どもだと思ってたのに…!
そんなことよりお母さん!
そこは空気読んで素通りしてあげてよ〜。