桜×恋



「…ねぇ、色白で目が真っ黒で髪もちょっと長い真っ黒でシャツがピンクの男子って知ってる?」


昼休み、私は友達の靜(シズカ)と再び中庭に来て弁当を食べていた。


「さぁ…でもピンクのシャツ着てる人なんてめったにいないと思いますよ?」


「その男子がどうかしました?」と言われ、いや別に、と返すと、靜は興味津々に目を輝かせた。


やっかいな。


「え、もしかして葉月(ハヅキ)、とうとう好きな人が」


「違ぇよ…」


「……残念です」


あまりにもそっけなく拒否されたからか、靜はあっさり引き下がった。


「残念です」って、何が。


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