桜×恋


私達は桜の木の下のベンチに並んで座った。


桜と私の間にある微妙な距離……


しかたないよね、初対面だし


くっついて座るのおかしいよね。


「ねぇ葉月ちゃん」


「な、何?」


なんか緊張して、そっけない感じになっちゃう。


「葉月ちゃんはさ、この桜好きなの?」


桜は桜の木を見ながらそう言った。


淡く光る桜の花が、桜の瞳に映ってるのを横から見ながら


一枚の絵を見るような錯覚に陥った。


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