キャンディ
あたしが呟くと同時に、慶にぃも言葉を発した。
慶にぃと目が合って、仕方なく窓を閉める。
またベッドに腰を下ろしたあたしに、慶にぃが近寄ってきた。
「真衣ちゃん大変だね。貴みたいなお兄ちゃん持って」
慶にぃは半笑いで、だけど半分呆れた様子。
「うん。ほんと大変!
真衣の気持ちもわかってほしい!!」
貴にぃに聞かせるように、大きい声で言った。
でも、貴にぃは無視。
何この人!!
「真衣ちゃん、こーゆー男がタイプなんだ?」
「えっ??」
慶にぃが指さしたのは、適当に開いてた雑誌に載ってるモデルの人。
「違うよ!」
「じゃぁどれが好き?」
「んとね、真衣的にはねー…」
「真衣的にはー…?」
あたしはページを捲って、自分の思うイケメンを探していく。
「慶ちゃん、手ぇ冷たい!」