キャンディ
「ブランコの高いとこから跳ぶとか、真衣はほんと馬鹿だな」
「……どーせ真衣は馬鹿だもん…」
慶にぃにそんなことは滅多に言われないせいか、涙声になった。
すると、慶にぃはフッと笑ってあたしの頭をくしゃくしゃと撫でてから、背中を向けてしゃがんだ。
「ほら。のっていいから」
言われた通りに、慶にぃの背中に身体を寄りかからせる。
男子が、恥ずかしくて誰がするか言い合いしていたおんぶを、慶にぃは堂々とやってのけた。
―――あたしの小さい頃の思い出には、必ず慶にぃがいた。
楽しいときは一緒に楽しんで、泣いてるときは慰めてくれた。
いつも優しくしてくれて、いつもあたしの相手してくれる。
そんな慶にぃが、
慶ちゃんのことが
あたしは、たまらなく好きなんだ