キャンディ
「なんか…恥ずかしいし」
貴にぃが、あたしのことをちらりと見てから、もう一度コーヒーを口にした。
「まぁいいけど」
「ありがと。」
なんとなくほっとした。
テーブルに視線を向けると、置かれたままのケーキ。
フォークでケーキを一口大にして、それをじっと見た。
これ、まだ食べられんのかな…
そう思って、自分の口の高さまで持ってきたとき。
「俺にも頂戴っ」
横から、パクッとそれを食べられてしまった。
「慶にぃ!」
いつの間にか起きてきた慶にぃ。
「それ…昨日、冷蔵庫入れ忘れたやつだよ…?」