キャンディ
苦笑いでそう言うと、慶にぃは一瞬にして眉をひそめた。
「言うの遅いって!」
「だって慶にぃがいきなり…」
慶にぃはあたしの言葉を遮って、あたしの唇にキスした。
「これで、腹痛くなんのは真衣も一緒。」
なっ……
「イチャつくなら、誰もいないとこでやってくれますかー」
貴にぃが、居心地悪そうに言った。
「あ、帰ってたんだ?」
慶にぃは貴にぃを見た。
「いつ帰ってきたの?」
「さっき。」
二人は、何事もなかったかのように話し始める。
生クリームみたいな甘い味がした突然のキスに、まだあたしだけ戸惑っていた。