キャンディ

苦笑いでそう言うと、慶にぃは一瞬にして眉をひそめた。


「言うの遅いって!」


「だって慶にぃがいきなり…」





慶にぃはあたしの言葉を遮って、あたしの唇にキスした。



「これで、腹痛くなんのは真衣も一緒。」



なっ……



「イチャつくなら、誰もいないとこでやってくれますかー」


貴にぃが、居心地悪そうに言った。


「あ、帰ってたんだ?」


慶にぃは貴にぃを見た。


「いつ帰ってきたの?」

「さっき。」


二人は、何事もなかったかのように話し始める。




生クリームみたいな甘い味がした突然のキスに、まだあたしだけ戸惑っていた。



< 122 / 224 >

この作品をシェア

pagetop