キャンディ
声がして振り向くと、女の人が2人こっちを向いていた。
「川村」
片方と知り合いなのか、慶にぃが口を開く。
「あはっ、偶然。」
テンション高めの口調で話す女の人は、一瞬あたしをちらっと見た。
「彼女?……妹さんじゃなかったっけ?」
あたし達の繋いでる手を見て、怪訝そうに言葉を発する。
兄妹で手を繋いでるなんて…普通は変だよね…
あたしが無意識に俯いた時、慶にぃの握る手に力が入ったのがわかった。
「うん、彼女」
咄嗟に慶にぃを見るあたし。
「え、そー…なんだ…」
動揺して、女の人はあたしと慶にぃを交互に見比べる。
「じゃぁ、俺ら行くから。」
それだけ言うと、慶にぃはあたしの手を引いて、また歩き始めた。