キャンディ
「なんでけーちゃんは、おねーちゃんばっかり好きなの?」
「えっ?」
「美咲は、1番けーちゃんが好きなんだよ?」
「それは……」
動かしていた足を、ふいに止める。
美咲ちゃんの「好き」は、
小さい子が言うような一緒にいて楽しいの「好き」じゃなくて、
ほんとの意味の、恋してるの「好き」って言っているように思えた。
「ねぇ、おねーちゃん」
「ん?」
あたしは美咲ちゃんの背に合わせるように、かがんで顔を覗いた。
「それ、いつもつけてるね。」
美咲ちゃんが指差したのは、慶にぃとのペアネック。
「おんなじの、けーちゃんもいつもつけてるよ。」
「うん、おそろいなんだ。」
「美咲にも見せて?」
言われて、首からそれを外すと、あたしは美咲ちゃんに差し出した。