キャンディ
「きれー…」
「ありがとっ」
美咲ちゃんに笑顔を向ける。
「……」
すると美咲ちゃんは急に俯いてしゃがみ込み、また立ち上がったと思ったら、手に持つそれを投げた。
「えっ!?」
投げた方向を振り返ると、「ポチャンッ」て、すぐ側の川で音がした。
――ちょっと待って。
「…うそでしょ……?美咲ちゃん、何しちゃってるの…」
「だって、ずるいんだもん。おねーちゃん…」
「最悪…」
慶にぃとのペアネックなのに
初めておそろで買ったのに
大切な宝物なのに
気づけば、体が勝手に川のほうへと走ってた。